メンブレンフィルトレーションの基礎知識

I部 ろ過の基礎知識とメンブレンフィルターによるろ過
1. ろ過概論
1.2 ろ過対象物によるろ過の分類
ろ過対象物質のサイズからつぎのように分類できる。
1) 粗ろ過
砂ろ過、ろ布、ろ紙、不織布、ろ過助材などによるものである。それぞれの特徴はつぎのようなものである。
(1) 砂ろ過
◆ 種類:粗〜密
◆ 特徴、利点:深層部での捕捉、汚れ保持力(dirt holding capacity)大。
◆ ろ過材(砂)の品質:輸入
(2) ろ布
◆ 種類:よく使われている繊維の種類には、Staple(短繊維)、Monofilament(長繊維)、Multi-filament(長繊維)を撚り合わたもの)がある。材料としては、木綿、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、サラン、レーヨンなどがある。
◆ 特徴、利点 :食品、醗酵分野でのろ過によく使われている。再生が可能。
(3) 不織繊維
◆ 種類:繊維をランダムにからみあわせてシート状にしてもので、ろ紙、フィルターパッド、不織布などがある。
◆ 特徴、利点:繊維間の間隙が細かいので、高清澄度を必要とするろ過に適している。再使用できないので、原則として使い捨て。
(4) ろ過助材1)
◆ 種類:ケイソウ土(SiO2が主成分)、パーライト(SiO2約70%とケイ酸アルミ)が一般的。
◆ 特徴、利点:ケイソウ土の粒度分布は4〜40μmが一般的。支持体またはろ布などのろ材に層にして(プレコート)使われる。ろ過液にろ過助材を混ぜてろ過を行う一般にボディーフィードとよばれているろ過方式が使われている。これにより、ろ過対象物のろ過層への堆積によるろ過効率の低下を防止できる。
最近の動向;使用済みろ過材 はこれまで廃棄されていたが、最近の環境保全の社会情勢により再生して使われ、廃棄のコストと再生処理のコストを比較検討したLife Cycle Assessmentが、検討されている。
2) 緻密ろ過
(1) 焼結金属2)
◆ 種類:ステンレススチール、ニッケル、銀、鉄、黄銅がおもな材料。これらを金属粉を焼結してつくる。
◆ 特徴、利点:細孔径は、一般に粉末粒径の16〜20%。高温耐性、機械的強度大。寿命がろ紙などに比べて長い。逆洗浄が可能。捕捉粒子サイズのサイズは原料金属粉の粒径から計算できる。
◆ 応用: 油類、高温での流体のろ過。
(2) セラミックス3)
◆ 種類:おもな原料はアルミナ(Al2O3)。原料を成形、加熱、焼成してつくる。
◆ 特徴、利点:耐熱、耐食、硬質性。
◆ 応用:水道水の最終ろ過。薬液のろ過。

参考/引用文献:
1) 杉本泰治著;「濾過と濾過助材」、モダンエンジニアリングライブラリー(1967)
2) 近藤連一編著;「多孔材料−性質と利用−」、技報堂出版(1986)
3) 「セラミック工学ハンドブック」、(社)日本セラミック協会編、技報堂出版(1989)

 





フィルトレーションの基礎知識-目次
フィルトレーションの基礎知識-1.1 ろ過とは
フィルトレーションの基礎知識-1.3 代表的なろ過材とろ過対象物の大きさ
フィルトレーションの基礎知識-2.1 ろ過における分離メカニズム
フィルトレーションの基礎知識-2.2 ろ過分離メカニズムの基本
フィルトレーションの基礎知識-3.1 MF(精密ろ過)
フィルトレーションの基礎知識-3.2 UF(限外ろ過)
フィルトレーションの基礎知識-3.3 RO(逆浸透ろ過)
フィルトレーションの基本用語集









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